2010年3月31日水曜日

回転体の教材化

回転とは軸を中心に回転移動することである。たとえば、粘土造形でろくろは典型的な回転体利用である。ある特定の位置がまたもとにもどるのであるから、軌跡は円となり、かたちづくられるものは円形となる。軌跡に沿って線を入れれば同心円のきれいな文様になり美しい。無限の平面を切り取る四角い紙ではなく、円や円筒形を支持体とした美術作品を教材として開発してもおもしろい。

2010年3月30日火曜日

回転体と盆灯籠

仏前に据えられる盆灯籠には、派手なものになると色々な仕掛けが組まれている。電灯を使うタイプで、発せられる熱を利用し、それが光源に被せられた円筒上部のファンを動かす。円筒状の動体側面は透明なフィルムが貼られていて、模様が回転すると透過光が周りを照らす。あの世の雰囲気を醸し出すのである。熱を動力に変えることと、光をコントロールすること、簡単な装置であるがよく考えられている。光を使った美術教材として利用できる。

2010年3月29日月曜日

回転体をテーマにした教材

シリンダーを構造にもつオルゴールは動力が無くならない限り永遠に音楽を奏でる。円筒は回転すると面の特定の位置はまたもとに戻ってくる。日常円筒が回転する原理を用いている道具や機械は無数にある。車輪の発明は文明繁栄のきっかけであるが、そもそも回転体は文化文明の本質に位置している気もする。そういう意味で回転体を用いた美術教材開発はたいへんスリリングである。

2010年3月28日日曜日

オルゴールの再評価

時計の目覚ましが電子音であることに誰もが慣れてしまっている。古い柱時計の鐘は巧妙に金属などで作られた発音体である。良い音がする。高度にシミュレートされた人工音が氾濫する日常で、かえってアナログな発音方式をもつものは新鮮さを感じる。オルゴールは櫛状の金属発音体を使う。電子音ではない。普及型のオルゴールは木の筐体をつかっていたりするので、文様や絵など工芸細工がしやすい。音楽は一曲しか選べないのも良い。流行の兆しである。

2010年3月27日土曜日

デッサンでのトリミング

対象物をバランスのとれた構図に収めるには、構想の段階でトリミングを行う。デッサン用具のデ・スケールを使うと短時間に何通りものパターンを試すことができる。時間があれば画面上で枠をとり練習してみる。写真を撮影するときの構図決めも練習になるので実践すると良い。奥行き感、空気感を意識する。

2010年3月26日金曜日

ポートフォリオの作成

礼儀正しい駆け出しの若手作家は、自分の作品を売り込むために、特徴的なものを写真などにして集めたポートフォリオを作成する。一瞬にして魅力を伝えなければならないので気を遣う。それ自体が作品的魅力をもたなければ、良い印象は与えられない。同じようなものの羅列ではパッとしない。でも方向がばらばらでは理解できない。なによりも時間をかけて他者の視点でまとめるのが良い。

2010年3月25日木曜日

デッサンには木炭

デッサンは鉛筆でやるという先入観の人もいるが、初心者は特に木炭から始めると良い。木炭は柔らかく伸びも良い。重ねることにより純粋な黒色を作り出すこともできる。ちょっと触れば簡単に変化をつけられる。栁や桑の木から製造する。状態の良いものを作るのには手がかかるのか一般に手に入る高品質なものの値段は高めである。自家製造するのは難しいか。きれいに揃えた枝や材を密閉容器に入れて600℃ぐらいまで加熱、炭化させる。色々な木を使って実験するのも良い。

2010年3月18日木曜日

縦線横線ななめ線を描く

まっすぐで長い線をフリーハンドで描くのは思ったより難しい。腕と手の構造もあって、定規で引いたようにはいかない。しかし練習を重ねると引けるようになるのである。ひたすら紙に向かって縦線横線を描く。建築系のスケッチをする場合には、簡単に正確な直線が引けると美しいものができる。時間と労力によって得られる鍛錬の賜物。

2010年3月17日水曜日

デッサンの必需品

デッサンで必要な道具には定番のものがある。日本で美術系進学を目指す若者は必ずそのスタイルを経験する。これが逆に枠を越えた柔軟な人材育成を阻害している可能性もあるが、型は型である。道を究めるには親方を見て学べである。木炭デッサンでは、木炭、木炭紙、カルトン、下敷きの新聞紙、クリップ、イーゼル、ナイフ、食パン、芯抜き、擦筆、ガーゼ、計り棒、デスケール、フィクサチーフなど必要。鉛筆デッサンでは、鉛筆、画用紙、練り消しなどが入り他は木炭と同じ。計り棒、デスケールは工夫で自作できる。計り棒は自転車のスポークが強くて良い。

2010年3月16日火曜日

デッサンの補助線

補助線は補助になる線であるから最初から強く描いてはいけない。見えるか見えないかの細さで、描いているうちに消えて無くなるような状態が良い。だだし、弱くてもひょろひょろと頼りない曲がった線ではいけない。直線を基調に画面いっぱいに広がるような長い線が、描画の頼りとなる。長い線の組み合わせで見えてくる正しい位置とかたち。最初から輪郭線を描いてはいけない。何本もの補助線によって導き出される正しい線を最終的にしっかりと描くのが最善のデッサン方法である。

デッサンの垂直線水平線

紙に描くデッサン。構図を上手にきめるためには広い視点が必要である。紙面は垂直線と水平線で切られている。この中にバランスよくモチーフを入れるのには垂直水平を基準にすると位置を決めやすい。部分だけで決めると失敗する。全体を見ること。一般に垂直に立っているものは、紙の垂直に合わせれば傾くことは無い。水平も然り。しかし、より深い奥行き感や意図的な傾きを狙った場合は、単純すぎる配置はかえって面白味を薄れさせることもある。基準は常に気にしつつも、思い切って描くのが良いデッサンのコツである。

デッサンの光空間組立

精密なデッサンには正確な光のコントロールが必要である。デッサン室はほとんどが北向きで直射日光が入らないような場所に位置している。光源ができるだけ遠い、平行光線が理想。環境光もなければ宇宙空間のような強烈な陰影になってしまう。陰影は素直に描けばその通りになるが、絵画にするためには制作者の頭のなかで光の空間を組み立てなければならない。いかにそれらしく見せるかは、見たそのままに描くのとは少し異なる。よく観察して描けるようになった次の段階は、非現実で現実以上のものをつくり上げる技術である。

2010年3月12日金曜日

デッサン用鉛筆の削り方

鉛筆をきれいに削ることができない子どもは今や親の世代となり、字や絵はシャープペンシルとプラスチック消しゴムで書くもの思っているらしい。木炭やパステルを上手に使えなくても、鉛筆ぐらいは自然に使えるようにしてほしい。白黒のデッサン、まず鉛筆を削るところから。芯は少し長めに出し、軸の削り始め位置から芯先まで直線となっていること。製図用の芯先は平べったくするなど使い方によって削り方の違いはあるが、最小限の力によって描画する表面へ効果的に炭を付着させられるようにするのが目的である。

2010年3月11日木曜日

写真に写せない作品

微妙な色合いやマチエール、繊細な細部。写真だとよく判別できなくなるであろう特性をもつ美術作品の価値は高い。写真に写らないものは別の観点でも存在する。それは、大きすぎるもの、視野に捉えられずスケール感がつかめない作品である。オリジナルに接しないと、何であるかわからないものも、写真に写らない(写すことが出来ない)ものとして分類される。展示会場の空間容量いっぱいつかって、迷路迷宮見せ物小屋にすると、写真で紹介することは難しくなる。どこでもで展示できる作品も取り扱いが楽で良いが、たった一つその場所でしかできないものにはいわゆるオーラが宿る。

2010年3月10日水曜日

3D技術のツボ 偏向

3Dの技術改良が進み、商業ベースで現実的に実社会に商品が投入されてきている昨今である。昨年は3Dを全面に取り入れた大作映画が公開されたり、今年に入って3D対応の家庭用液晶テレビが次々に発売されつつある。3D映画で使われている方式は一つではない。RealD XpanD Dolby3Dなど統一した規格にはなっていない。Sonyと東芝のテレビはRealDの技術を取り入れているようである。これらの多くは偏向フィルターを使う。偏向フィルターは、光の性質を理解する助けになる。デジカメもPLフィルター一枚で劇的な変化が楽しめる。偏向フィルターを応用した作品づくりに可能性がある。

2010年3月9日火曜日

デッサンの構図練習

タブローにおける構図決定は、何回ものエスキースを経てのことであるから大きな間違いは修正されているのがほとんどである。デッサンは習作であるから構図で失敗していることもある。一般に美術系大学受験のためのデッサンでは、構図は最重要な要素の一つである。画面に対して無駄な余白を作りすぎず、かといって窮屈にしないようにバランスをとる。多くはモチーフが少しはみ出すぐらいにすると美しく配置できる。構図の練習のための訓練をシルエットを使ってしても良い。

2010年3月8日月曜日

デッサンの線の入りと抜き

漫画制作では線を大切にする。大作家のアシスタントとしてまず何をやるかと言えば、ひたすらきれいな線を引く練習をすることでしょう。入りと抜きを美しくコントロールできるまでにどのくらいかかるのか。デッサンの線を美しくするには入りと抜きは重要である。弱い筆致ばかりでは美しい色は出ない。時に力強く、しかしそれでいて最初と最後は繊細に処理することが大切。

2010年3月7日日曜日

写真に写らない作品

美術作品の色彩の微妙な変化を写真に写し取るのは難しい。僅かな光で変化する表情、絞って一瞬を固定する写真では、人間が瞬間に感じている時間は描き出せない。美術作品を写真や複製ではなく、本物でみることはその価値を感じることである。どんなに高精細なデジタル画像でも、入力装置と出力装置の性能以上のものは表現できない。世界がデジタルデータのみで置き換えられない理由はここにある。写真に写らない、写してもその表情が感じられないような作品は、特殊な価値が見いだされるであろう。

デッサンは周りからせめる

高校の美術の先生や予備校の先生から教えられたこと。デッサンは空間を感じなければいけない。絵の中で描きたい物だけを描いていても、決して良くならない。その物がある周囲の空間を描き出すこと。周りを描かなければその中にあるものの質は上がらない。デッサンは全体をみて部分をみて、ものをみて描いて、そのものの周りを描いて、焦らず丹念に線描を重ね、時々離れてみる。

2010年3月5日金曜日

竹素材の良さ

竹は里山に行けばどこにでも自生している身近な素材である。節があり、縦に裂ける特性をもち、適度に固くまた加工にできるほどに柔らかく、弾性があり、自然に還るという性質をもつ。竹製の工芸製品はアジア一帯、日本にも民芸品として多種多様に存在している。しかし、現代的な都市生活では、竹串ぐらいしか見る機会が無い。もっと竹素材を仕える技術をもちたい。教育分野で必ず竹を使う単元を入れたら良いのではないだろうか。

表現科の分類

旧来の芸術の分野分けは基本として、教育のための新たなる断面をつくる。哲学、宗教、文学、美術、建築、工芸、音楽、演劇などの分野のもち方。物質系(外界のオブジェに対しての行為)、身体系(一オブジェとしての身体を使った行為)、精神系(意識の働きに注目した行為)。身体と精神は一体のものであろうが、歌を歌ったり運動をしたりといった行為は身体系である。表現科は、名が表現であるからといって、発信することまたその技術のみに注目した科目ではない。

2010年3月2日火曜日

芸術教育のバランス

子どものための芸術教育を考えたときに、現在の日本では少しバランス感を欠いた科目構成になっている。文科省の発する学習指導要領に縛られ、頑なになっているのだろうか。小学校で図画工作や音楽、中学校では美術と音楽、高校になると芸術として、音楽・美術・書道から選んで選択するようなのが一般的な学校である。小学校で近年”造形遊び”などといういものが出てきているが、芸術の専門家でない先生は頭を抱えている。写真や映画、演劇やダンス、メディアアートやパフォーマンスなどへ応用していける基礎が必要。まとめて<表現科>の設置はどうであろう。

2010年3月1日月曜日

アボリジニの文様と色彩

ディジュリドゥには、アボリジニの文様が描かれる。単純なパターンを複数組み合わせるもの。ひたすら点描で取り憑かれたように描かれるもの。このような文様は、何万年もの歴史の中で伝えられ、洗練されてきたものである。素人が真似してその精神性を受け継げるものではないが、子どもの素朴な手仕事には向いている。使われる色彩は、白、黒、黄、赤などである。鉱物や動植物から得られ易い色彩なのであろう。この色彩を自然物から顔料にする作業も魅力的である。

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"great conjunction 2020"NOBOKIN

"Slopes"

"Reflexion's no affairs" NOBOKIN

"Schlegel" NOBOKIN

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"Fluid Mechanics" NOBOKIN

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Before "Freedom of Expression" NOBOKIN

"Zi-Alert";“慈アラート”NOBOKIN