2010年5月31日月曜日
楽器の造形2
楽器の素材で多いのが木材である。木目の出たギターのボディは美しい。楽器は人間が操るのであるから、人間にとって心地よい素材でつくるのが適切である。自然素材を風合いを残した上で、造形にどれだけ取り入れられるのかポイントとなる。尺八などは竹の根っこそのものであって、ここまではいかなくても原材料が生きていた自然状態を加工後にも再現するのがよい。形態を真似ても感性上は近いものになる。
2010年5月26日水曜日
楽器の造形1
楽器は音楽を奏でるという本来に加えて、調度品としての価値がある。ピアノはあるだけでアカデミックな雰囲気が出るし、なによりも黒光りした質感が美しい。ギターの類など、ボディやネックにきれいな装飾を加えてあって、弾く楽しみからさらに工芸品を所有する楽しみまで生じる。美術教材には、ウクレレ、カリンバ、オカリナなど簡単な楽器を飾る工夫が、造形表現として面白味をもつ。素材について、一般的な木材、竹、土。金属は打楽器にして、特性をうまく試せそうである。
2010年5月24日月曜日
日本の子どもが描く絵5
日本の家族形態は一夫一婦制である。一家族での子どもの数は、かつては多かったであろうが、現代はほんとに少ない。子どもをつくらない夫婦や、結婚しない成人も多くいる。子どもが描く家族の絵もその変化と同じく、典型的な像を見つけにくくなっている。授業で家族を描きましょうという題材は設定しにくいのではないだろうか。では、何を描くのかが問題である。動物は扱が難しいが家族像のかわりになる。生物種としての親子を観察して描くのにはよい。ヤギやウサギは親と子を把握しやすいので好例。カエルなどは例外を除き、子育ても現代の荒んだ家族にも増して厳しく放任である。それを見れば子どもが自らの不遇を全否定することはなくなるだろう。
2010年5月23日日曜日
日本の子どもが描く絵4
日本において西洋的な美術教育が公の場で取り入れられたのは明治維新以後のことである。この時期多くの学者や芸術家が海外を旅した。日本に輸入された西洋芸術もこの時期のものが起点となっている。ダヴィットやアングルよりもモネやルノアールに知名度があるのは、どこを起点とするかに影響していると思われる。未だに日本の子どもたちは、たった一時期の流行のみをお手本として、ゴッホのような児童画を描き続けるのだろうか。現代美術をうまく消化している先生の手によって、状況は少しずつ変わりつつあるのであるが。
2010年5月19日水曜日
日本の子どもが描く絵3
印象派のような点描の手法で着彩する子どもがいる。しかし多くの場合、筆致が似ているだけで本当の意味での印象派の表現にはなっていない。印象主義は、自然の光の素直な観察から始まっている。観念的な固有色のみを描くのではなく、太陽の動きに合わせて刻々と変化する光の向きや色合いを、純粋な色調のままキャンバスにとらえるというのが目的である。したがって絵の具はできるだけ濁らせず、隣り合うかすかな色は混ざらないように点描する。子どもの使う色数が少なく、まだらになってるだけで美しくない作品は多く見かける。何故だろうか。
2010年5月18日火曜日
日本の子どもが描く絵2
人物を描く素描が課題として出さされた場合、必ず髪の毛を中心に描く。ある程度イラストなど描き慣れている子も、髪の毛を主たるモチーフにして人物を描く。思春期の中学生が、やたらに髪の毛を気にしていじりまくるのと同調している。目鼻口に注目するのではなく、頭髪である。何か日本的なものの見方があるのかもしれない。主体に直接触れるのではなく、間接的な環境である器を見て事象を判別するのである。
2010年5月17日月曜日
日本の子どもが描く絵1
日本の教育を受けてきた子どもが描く絵に何故か特徴的な傾向が見られることがある。たとえば、太陽は赤に描く。日の丸が赤であるから、自然に太陽は赤となるのだろうか。朝日と夕日は赤に見えることがある。画面の端に、四分の一に切られた太陽を描く子どもがいる。ど真ん中に描けないという日本的なおしとやかさであるのか。描きたいものが主役で、太陽は脇役であるというのであれば理解できる。真円を描くのが難しく、労力を節約できるという理由もあるかもしれない。
2010年5月14日金曜日
デッサンの鉛筆
デッサンに使う鉛筆には描く人によってこだわりがある。日本製品をこよなく愛す人もいれば、ドイツ製を信じて使う人もいる。日本の鉛筆メーカーではトンボと三菱が有名である。三菱のハイユニはよく使われる。濃密な黒、それも黒光りする黒を描き出すことができる。油分のせいか書き味は滑らか。でもテカる。ステッドラーは定番である。つや消しのきれいな黒。ハイユニに比べて硬質な感じがある。どれを使うかは好みであるが、色の違いを体験するのはおもしろい。
2010年5月11日火曜日
練り消しで描くこと
デッサンで使う”練り消し”という特殊な消しゴムがある。練って柔らかくなり、形を自由に変形させて好みの消し具になる。鉛筆や木炭で黒色を加える描画ではなく、黒色から取り去り白を描いていくという方法。加算ではなく減算の方法である。練り消しをうまく使うことは、受験デッサンの様式美のようなものであるが、消すことのみに注目する題材があってもおもしろい。
2010年5月3日月曜日
ダイヤブロックの技術
ダイヤブロックのすごいところは、一つ一つのブロックの完成度である。適度な力で結合でき、また逆に簡単に外すことが出来る。一見なんでもない作業である。しかし工業製品で常に高度な基準を満たすのは難しい。どれ一つとして不具合のあるパーツは無いのである。長年の技術の蓄積と加工技術の粋を集めた結果である。そしてすべては手を使って遊ぶために最高の工夫をもってつくられている。
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