DTM黎明期の1990年代、パソコンを使った音楽は、コンピュータミュージックと言われ、一般には普通のロック・ポップスのバンド音楽とは違った種類の音楽として扱われていた。シンセサイザーを買っても、エレキギターと合わせてバンドをやるのか、パソコンと繫げて自動演奏するのかでは、だいぶ違った方向性をもっていた。KraftwerkやYMOみたいな音楽を自動演奏で作るような趣味では、楽譜はそんなに重要ではない。データ入力は数値で行うというのが普通であった。DAWではなくシーケンスソフト。MIDIは必須の世界である。
シーケンスソフトは、90年代、日本では、カモンミュージックのPC-98用レコンポーザなどが典型的なソフトであった。そこにMacintosh用、舶来ソフトが攻めてくる。Performer, Vision, Cubaseなど。Notatorは日本ではかなりマニアックであるが、最初から楽譜表示機能を備えているにもかかわらず、けっこうサクサク動くところ。いったいどういうプログラミングなのか驚異の製品であった。Emagicになっても独自性は貫かれていて、精度や安定性は定評があった。他が悪いというより、MacのOSの安定性がネックであったことも原因ではあるが。
Macでは、シーケンスソフト(まだDAWではない)の四天王とか言われていた、Performer, Vision, Cubase, Logicがあった。今もVision以外は機能を重ねて残っている。音声データそのものを扱えるProToolsやLiveなどが進化して、DAWという扱いで本格的に台頭するのは、2000年以降の話。業務用では早くからProToolsは標準のデジタルレコーディング環境となっていた。シーケンスソフトもMIDIだけから音声処理機能を加えてDAWへと進化している。
0 件のコメント:
コメントを投稿