2020年5月19日火曜日

Apple Logicのバージョンアップから今昔1

Apple Logic Proは、もともとNotatorであった。Atari用の音楽ソフトで、C-Labという会社が作り、その後しばらくEmagic社がNotator LogicからLogicとして2000年代までバージョンアップを重ねる。そして、EmagicがAppleに買収され、Appleの音楽制作ソフトとして今日を迎える。伝説的なプログラマーの歴史の変遷も見て取れる。今や何でもできる音楽ソフトの化け物に進化している。ここ数日前にバージョンアップが行われた。ライセンスのあるユーザーは無償バージョンアップ。このAppleの戦略、強者がつくる強制的な文化創造である。Macを買わせるための戦略でしょうが。そのおかげですばらしいクリエイターが登場するでしょう。

DTM黎明期の1990年代、パソコンを使った音楽は、コンピュータミュージックと言われ、一般には普通のロック・ポップスのバンド音楽とは違った種類の音楽として扱われていた。シンセサイザーを買っても、エレキギターと合わせてバンドをやるのか、パソコンと繫げて自動演奏するのかでは、だいぶ違った方向性をもっていた。KraftwerkやYMOみたいな音楽を自動演奏で作るような趣味では、楽譜はそんなに重要ではない。データ入力は数値で行うというのが普通であった。DAWではなくシーケンスソフト。MIDIは必須の世界である。

シーケンスソフトは、90年代、日本では、カモンミュージックのPC-98用レコンポーザなどが典型的なソフトであった。そこにMacintosh用、舶来ソフトが攻めてくる。Performer, Vision, Cubaseなど。Notatorは日本ではかなりマニアックであるが、最初から楽譜表示機能を備えているにもかかわらず、けっこうサクサク動くところ。いったいどういうプログラミングなのか驚異の製品であった。Emagicになっても独自性は貫かれていて、精度や安定性は定評があった。他が悪いというより、MacのOSの安定性がネックであったことも原因ではあるが。

Macでは、シーケンスソフト(まだDAWではない)の四天王とか言われていた、Performer, Vision, Cubase, Logicがあった。今もVision以外は機能を重ねて残っている。音声データそのものを扱えるProToolsやLiveなどが進化して、DAWという扱いで本格的に台頭するのは、2000年以降の話。業務用では早くからProToolsは標準のデジタルレコーディング環境となっていた。シーケンスソフトもMIDIだけから音声処理機能を加えてDAWへと進化している。

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