2015年7月7日火曜日

美術教室の配置実験 中心を拠り所として

 美術教室の机の配置は様々である。座学授業のようにマス目状に机を並べて、学習者と授業者で一対一の関係をもつグリッドな配置。並べ方など無視して、モチーフごとに椅子とイーゼルを立て最適な場所をつくるバラバラな配置。そもそも机などいらない、立っても座っても寝ても、表現活動につながればどうでも良いというカオスな配置。それぞれの学習内容に合わせて選択すれば良いが、一般的な日本の学校では、その都度配置を作り直す時間の余裕などは無い。固定化した教室の机椅子の配置が、そこで行われる授業の基盤となって雰囲気を作り出す。
 長野県諏訪清陵高等学校・附属中学校(百瀬教諭)の美術では、机椅子の配置実験を試みている。先生と生徒が向き合うわけでも無く、生徒だけでグループをつくるわけでもなく、その中間。何かかたちは無いが、中心を拠り所として配置することによって、学習者としては、全体を意識しつつもそれぞれ個の世界にも没入できる環境。

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